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柿の腹痛を予防・対処する方法と柿の栄養・効能を知ろう!

柿の腹痛を予防・対処する方法と柿の栄養・効能を知ろう!
鈴木亜子
監修者

鈴木亜子

管理栄養士

柿は美味しいけれど、食べた後に腹痛になることがありませんか?柿の腹痛は、柿に含まれる成分が原因で起こります。柿を食べて起こる腹痛の原因や予防法、対処法を知っておくと、柿を安心して楽しめますよ。

この記事では柿を食べることで起こる腹痛の原因や予防法に加え、柿に含まれる栄養などをご紹介します。

柿の腹痛の原因とは?

美味しい柿を食べたあと、腹痛に悩まされたことがある方もいらっしゃるかもしれません。柿を食べて腹痛を起こした場合、柿が痛んでいた可能性も考えられます。しかしその原因の多くは柿の「食べ過ぎ」によるものです。

柿には「タンニン」という渋みのもととなる成分が含まれています。このタンニンは過剰摂取すると腸の動きを妨げ、便秘を引き起こしたり悪化させたりすることがあります。

また柿を食べすぎると、タンニンの一種「シブオール」が胃酸と混じり合うなどしてできる石のようなかたまり「胃石(いせき)」ができてしまうことも。胃石ができると腹痛や吐き気・嘔吐などの症状が現れるほか、腸閉塞を引き起こすこともあるのです。

さらに柿に含まれる、食物繊維の一種ペクチンや糖質の一種「ソルビトール」は摂りすぎることで下痢を引き起こします。

このように柿を食べ過ぎることで生じる腹痛は便秘や下痢による腹痛、胃石による腹痛などさまざまな要因が考えられます。


柿の腹痛を予防する方法

柿を食べることで起こる腹痛の多くが食べ過ぎによるものです。その他柿を食べて腹痛を起こさないためのポイントや、1日に食べる柿の適量などをご紹介します。


柿は食後に食べる

空腹の時に柿を食べすぎると、柿胃石ができるリスクが高まるといわれています。食後だからといってたくさん食べて良いとはいえませんが、美味しい柿を腹痛の原因にしないためには、食べるタイミングにも注意してみましょう。

柿は一日に1個までにする

タンニンの摂り過ぎを防ぐためには1日に食べる柿の量に注意しましょう。柿の大きさにもよりますが概ね1日1個、小さめのものでも2個までにしておくと安心です。

旬の時期の美味しい柿を、美味しいうちに食べたい気持ちを抑えるのは少し酷かもしれませんが、腹痛を起こさないためにも適量を守って食べるようにしてくださいね。

お茶やコーヒーなどタンニンが多い飲み物は控える

タンニンを含む食べ物や飲み物は柿だけではありません。コーヒーや紅茶、緑茶、赤ワインなどにもタンニンが含まれています。

柿の季節は摂取量に配慮すると同時に、このような飲み物を飲みすぎないようにすることで腹痛を予防しましょう。

柿の腹痛に効く対処法

柿を食べることによって起こる腹痛の原因はさまざまですが、自分で原因を特定することはなかなか難しいかもしれません。

そのため、まずは安静にするなどして様子を見ましょう。そして常備している胃薬を飲んむ、下痢を伴うようであれば整腸剤を飲んでみるのもひとつの方法です。

余裕があるようであれば腹痛に効くツボを刺激してみるのも良いでしょう。冷えや食べ過ぎなどによる腹痛に効果的な「温溜(おんる)」というツボをご紹介します。

手首と肘の間の親指側、だいたい中間あたりに位置する部分を、反対側の親指で5秒程度押すことを3〜5分ほど繰り返してみましょう。

この部分を指摘することで、おなかの血流が促され腹痛の改善につながるといわれています。

ただし、症状がひどい場合やなかなか治らない時は早めに医療機関を受診するようにしましょう。

柿の栄養・効能とは?

柿を食べすぎると腹痛を起こしてしまうこともありますが、適量を守って食べれば健康づくりに役立つ栄養素や成分が多く含まれています。

便秘や胃石の原因となるタンニン、下痢の原因となるペクチンも健康に良い影響を与えてくれるほか、体に必須のビタミンやミネラルも含んでいます。

ここでは柿に含まれる栄養成分とその働きや効果についてご紹介します。

ビタミンC

柿はビタミンCを豊富に含む果物です。ビタミンCは皮膚や軟骨などを構成するたんぱく質「コラーゲン」をつくるのに不可欠。十分摂取することによって肌のハリや弾力を維持するのに役立ちます。また、ビタミンCは抗酸化作用を持つビタミンです。体内に増えすぎた「活性酸素」を除去し、老化防止に役立ちます。

その他、ビタミンCは鉄の吸収を高めるなど体内でさまざまな働きを担っています。

食物繊維

食物繊維とは食べ物に含まれる栄養素のうち、消化されずに大腸まで届き、良い影響をもたらしてくれる成分です。食物繊維には水に溶けやすい水溶性食物繊維と、溶けにくい不溶性食物繊維があり、柿には水溶性食物繊維であるペクチンが含まれています。

ペクチンをはじめとする水溶性食物繊維には、便を軟らかくする作用があり便秘解消にも役立つほか、血糖値の急上昇を抑えたりコレステロールを低下させたりする効果も期待できます。

カリウム

カリウムは体に欠かせない「ミネラル」の一種です。同じくミネラルの一つであり食塩の主成分としても知られるナトリウムとともに体内の浸透圧を調整しています。

カリウムはナトリウムが体内に増えると、お互いのバランスを保つために体外へナトリウムを排出する作用があります。そのため高血圧予防・改善にも重要な役割を果たすほか、塩分の取り過ぎによるむくみの解消にも役立ちます。

タンニン

タンニンはポリフェノールの一種で、柿以外では赤ワインやお茶、コーヒーなどに含まれる成分です。緑茶に含まれるポリフェノールの多くがタンニンであり、タンニンの多くが「カテキン」であることが分かっています。

タンニンはビタミンCと同様に抗酸化作用があり、老化防止に役立ちます。

柿の栄養を効率よく摂るコツ

柿の栄養を効率よく摂るには「食べ過ぎない」ことが第一です。その上で、柿の栄養をうまく取り入れる方法や注意点を見ていきましょう。

柿は皮ごと食べる

柿のビタミンCや食物繊維は実よりも皮に多く含まれています。柿の栄養を無駄なく摂取するなら、きれいに洗って皮ごと食べましょう。

皮ごと食べるのに抵抗がある方は、ピーラーを使って薄く剥くようにしてみてくださいね。

柿は生で食べる

柿はそのまま食べるほか、お菓子作りに活用するという方も多いでしょう。どんな食べ方でも美味しい柿ですが、柿に豊富なビタミンCは水に溶けやすく熱によって壊れやすい性質があります。柿をビタミンC補給に役立てたい場合は、生のまま食べるのがおすすめです。

まとめ

柿を食べて起こる腹痛は、タンニンやペクチン、ソルビトールといった柿に含まれる成分の過剰摂取によるものであると考えられます。つまり「柿の食べ過ぎ」が原因で起こる腹痛です。なかでもタンニンによる柿胃石は、重大な症状を引き起こすこともあるため空腹状態でたくさん食べるのは避けるようにしましょう。

とはいえ腹痛の原因とされるタンニンやペクチンは、健康に良い影響を与えてくれる成分。食べ過ぎに注意しつつ、旬の美味しい柿を存分に堪能してくださいね。

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鈴木亜子
監修者

鈴木亜子

管理栄養士

大学卒業後、主に医療機関に勤務。チーム医療の一端を担い、生活習慣病などさまざまな疾患の栄養管理に取り組む。得意分野は糖尿病で、療養指導や透析予防、重症化予防などを担当した経験も。現在は豊富な栄養相談経験を活かし、ウェルネス関連の記事執筆および監修に携わる。

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