秋の味覚の代表格、柿。甘くてジューシーな味わいは、食べはじめると止まらなくなってしまいますよね。しかし、柿は食べ過ぎると健康に害を及ぼす可能性があり、注意が必要です。
今回は、柿の食べ過ぎがもたらす健康への影響と、適切な摂取量について解説します。これから旬を迎える柿を美味しく安全に味わうためにも、正しい知識を身につけましょう!
柿の食べ過ぎがもたらす健康への影響
柿は甘くて美味しいですが、食べ過ぎると健康に悪影響を及ぼすことも。特に体調が優れないときや、お腹の調子が悪いときは注意が必要です。
ここでは、柿の食べ過ぎがもたらす健康への影響について、具体的に見ていきましょう。
下痢や便秘を引き起こす
柿は食物繊維が豊富で、水溶性食物繊維と不水溶性食物繊維の両方が含まれています。食物繊維は、適量であれば便の排出を促し、腸内環境を整える効果が期待できますが、摂りすぎると下痢や便秘を引き起こす恐れがあります。
また柿の渋みの素であるタンニンには、下痢止めの効果があるといわれていますが、摂り過ぎると便秘を引き起こすことがあります。甘柿でも未熟なうちはタンニンが含まれているため、食べ過ぎには十分注意してください。
体が冷える
柿は、薬膳の考え方において「寒性」という体を冷やす働きを持つ食材に分類されています。体が熱っぽいときに適量食べると、火照りを緩和させてくれるかもしれませんが、冷え性持ちの人や体調が優れないときに食べ過ぎると、体が冷えて体調不良を悪化させてしまう可能性があります。
柿を食べたいけど冷えが気になるという人は、生姜など体を温める働きがあるものと一緒に食べるのがおすすめです。また柿を干して乾燥させた干し柿にすると、体を温める性質に変化しますよ。
柿胃石ができる
「胃石」とは、食べ物が胃の中できちんと消化吸収されずに固まったもので、柿の食べ過ぎによってできた胃石のことを「柿胃石」と呼びます。日本における胃石の中で最も多いのがこの柿胃石で、柿胃石が進行すると腸閉塞を引き起こす恐れがあります。
腸閉塞は最悪の場合、手術が必要となる深刻な病気です。美味しいからといって柿を食べ過ぎると、思いもよらない重病を発生させてしまう可能性もあるため、1日の摂取量には十分注意しましょう。
柿の適切な摂取量
ここからは、食べ過ぎに注意が必要な柿の適切な摂取量と、健康的な食べ方について見ていきましょう!
柿は食べ過ぎると健康に悪影響を及ぼすこともありますが、適量を守って食べれば、体に嬉しい様々な栄養素を効率よく摂取することができますよ◎
昨年の柿ランキング
※2023年9月~11月の売上データ柿の1日あたりの適量
柿は基本的に毎日食べてもOKですが、1日の摂取量は1~2個までを目安にしましょう。先ほど紹介した柿胃石を発症した人の中には、1日2~3個の柿を食べていた人が多いという報告もあるため、毎日2個以上の柿を食べ続けるのは避けた方が良いでしょう。
また柿は果物の中でも糖質量が多く、100gあたり14.3gほど含まれています。健康やダイエットを意識している人にとって、糖質の摂りすぎは避けたいもの。健康的な食生活を送るためにも、柿だけでなく色んなものをバランスよく食べるよう心がけましょう。
健康を考慮した柿の食べ方
柿には、食物繊維やビタミン、ミネラルなど適量を守って摂取すれば体に嬉しい栄養素も豊富に含まれています。柿を健康的に食べるなら、量だけでなくタイミングや食べ合わせも意識してみましょう!
先ほど紹介したように、柿は糖質量が多めで、便秘や下痢を引き起こす成分も含まれています。人は空腹時ほど食べ物から摂取できる成分を過剰に吸収してしまうので、柿を食べる際はできるだけ空腹時を避けるのがポイントです。
また、柿と食べ合わせが良いとされる、生姜や豚肉を一緒に食べるのもおすすめです。体を冷やす働きのある柿と、体を温める働きのある生姜を一緒に食べることで、冷えを防止できます。さらに、豚肉と柿には粘膜を保護したり、内臓が正常に働くために必要な「津液」を潤す働きがあるため、一緒に食べることで消化吸収を促してくれますよ。
柿の栄養や健康的な食べ合わせについてより詳しく知りたい人は、こちらの記事をチェックしてください◎
まとめ:健康的に柿を楽しむために
今回は、柿の食べ過ぎによって起こる健康への影響や適切な摂取量について紹介しました!
柿を食べ過ぎると、便秘や下痢を引き起こしたり、体を冷やして体調不良を悪化させてしまう可能性があります。また柿の食べ過ぎによって発症する「柿胃石」は、進行すると腸閉塞を引き起こします。
これらの健康への悪影響を避けるためにも、柿を食べる際は1日1~2個までの適量を守り、食べるタイミングや食べ合わせも意識しましょう!食べる量や食べ方を工夫して、旬の柿を安全に美味しく味わいましょう◎